2022年8月20日(土)「まちあるき ~竹原編~古い町並み・酒蔵訪問・プチ防災の旅」を開催しました。
初めてのコーディネーター、少し緊張しながら進行しました。
まち歩きの魅力は、地元の方の話を聞きながら歩くと、「行ったことあるまち」が「身近なまち」に変わることだと思っています。
今回の先生は、竹原のまちづくり会社 株式会社いいね竹原の福本博之さん。塩と酒で潤った江戸時代の竹原、2018年と2021年の水害、昨年に法整備された流域治水関連法を受けて県がこの地区を流れる本川水系を特定河川に指定されたことなど、竹原についてレクチャーいただきました。
12年前に家業を立て直すため東京からUターンした時は、また東京に戻るつもりだったそう。今は竹原市内を中心に県内で複数の事業を展開されています。まちを歩けば皆さん笑顔で福本さんに声をかけていきます。思いが伝わってくるナビゲートでした。
事前に歩くルートを地図を囲んで確認。お天気が不安定で蒸し暑かったので、外を歩く時間を少し短くしました。
本川の水面を見ながら、川と海と親しんできた竹原のまちについて。海の干満に合わせて水位が上下するのがここからよく見えます。川には魚も見えました。魚を狙うサギの姿も。このあたりは地面を少し掘るとすぐ湧水が出てくるそうです。
いよいよ町並み保存地区へ。国選定重要伝統的建造物群保存地区として指定されています。
メインの通りに出ると電柱も地中化されています。
竹飾りが綺麗です。皆さん自分で作って軒下を飾っているそうです。常に地域の皆さんで町並みの美観を守っていて、ゴミ一つ落ちていません。
土壁の色落ちは水害の跡かもしれませんね。
土壁の色を塗り直す時も、過去と同じ色に塗るというきまりがあるそうです。
藤井酒造さんに到着。5代目蔵元の藤井善文さん(写真右奥)にお話を聞きました。
藤井さんがこれまで一度も経験したことのなかった数十年に一度の大水害が2018年に起こり、多くの方の支援を受けてやっと事業を再開したと思ったら、2021年に再び水害が起きました。
酒造の敷地内でも最も低いこのあたりは水害時は腰まで水につかったそうです。今は水害に備えて設備は直置きせずに台座で高く上げています。
「龍勢」「夜の帝王」で有名な藤井酒造は、江戸時代末期の文久3年(1863年)に創業。純米酒しか造らない日本酒の原点にこだわっている酒蔵です。自然の力を活用した昔ながらの製法、生酛(きもと)造りは、じっくり時間をかけて米・米麹・水の入ったタンクに天然の乳酸菌が入るのを待ちます。
「そこらにいる菌が入ってくるのをじっと待つんです。菌は空気にも水にもいるんです。昔と同じやり方だから時間はかかるけどいい酒ができます。」
酒蔵交流館では試飲もできます。
お酒だけでなく、お菓子や甘酒モナカ、美しい食器や酒器も。お昼時には蕎麦屋もオープンしています。
参加の皆さん、藤井さん、福本さんと記念写真。県内外からご参加いただきました。
石畳は凹凸が少ないのでベビーカーを押して歩くのも快適そうです。
古民家や蔵を活かした宿泊施設もあります。宿泊して夜の静かな町並みも歩いてみたいですね。
福本さんおすすめの竹原は、夜のまちと、雨のまちだそうです。
遠くで雷がゴロゴロ鳴り始めましたが、雨に降られず戻ってきました。まちを歩いて気づいたことを付箋に書いて地図に貼って、気づいたことを話しました。
青が防災目線、そのほかはピンクの付箋に書きました。地図が付箋でいっぱいに。
<参加者アンケートから抜粋>
・すごく楽しいまち歩きでした。もっと地元の方の声を聞いてみたいです!
・自分達だけで来ては感じられない視点があり、参加してよかったです!「文化を感じる暮らし」を感じて、自分のまちでの暮らしの解像度が上がった気がします。
・観光するだけじゃわからない魅力や災害の時の話が聞けて満足しました。竹原という自治体そのものにも興味を持ちました。
・深い話が色々聞けて楽しかったです!竹原の新たな面を見ることができました!
・福本さん、藤井さんの地元の方のお話も面白かったですし、参加者同士の交流も含め楽しかったです。参加者が多様だと注目する点や興味を持つ点が異なるので深みが増しますね。
・素敵な町並みと地元の方のお話しが聞けて楽しかったです。特に藤井さんの農業や世界を見て代々繋いでいく想いなど、様々な気づきがありました。
・まちを歩くだけでなく、参加者の方と振り返りをすることでたくさんの気づきを得ることができました。
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『まちあるき~竹原編~古い町並み・酒蔵訪問・プチ防災の旅』
日時:2022年8月20日(土)12:30~16:00
場所:道の駅たけはら 2階会議室
先生:福本博之さん(フロービス株式会社 代表取締役、株式会社いいね竹原 取締役)
授業詳細:
次回のまちあるきは、11月に呉・天応地区で開催予定です。
■テキスト/木村静(授業コーディネーター)
■写真/大田真奈、福本博之、野田夏梨・木村静
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