今日の先生、荒木さんが居る東京と私たちが居る広島がオンラインでつながって開催。「即興演劇って難しいので失敗をいかに楽しむか、物語って意外と簡単に作れることを知ってほしいです」との荒木さんの言葉から授業が始まりました。
参加者のみなさんと体験するのは、荒木さんが普段ワークショップを開催している「インプロ」の入門編。演劇や音楽など芸術分野における表現手法のひとつで、台本なしで「その場で考えて創作する」ことだそう。荒木さんは、広島県廿日市市で活動する「劇団さくらまち」の代表として活躍されています。
オンラインで即興演劇なんてどんなことが起こるのか全く想像がつかない…と少しの不安と期待とが入り混じりながらワークが進んでいきます。まず一つめは「サウンドボール」。相手に向かってボールを投げる動作をしながら音を出し、投げられた人は音の大きさや重さなどに反応して音を出しながら受け取ります。
シュッ、ボヨヨーン、ブワッ、フワァンフワァン、パラパラなど、形は目に見えないのに投げ合うボールの形が変わっていくように感じます。見えない時空間(Zoomの画面から画面へ)の距離を捉えるのも自分たち次第。想像力が掻き立てられます。参加者からの提案で、次は音の代わりに動物を渡し合うことに。途端に質感や体温を感じやすくなり、大事に扱うようになっている自分が居ました。
その他にも「物語あてゲーム」や、文節をつなげてみんなで物語を創作していく「one word」というワークをつうじて、物語を紡いでいくことを体験していきます。だいぶ緊張もほぐれてきたところで、本日のメインイベントの「演じること」。1人(Aさん)が周期的な動作をしているところに、もう1人(Bさん)がそれを見ての感想を投げかけるところから、2人の演劇が始まっていきます。
-A:(何かを切っているような動作)
-B:美味しそうですねぇ
-A:これ、今朝採れたばっかりなんですよ
-B:新鮮さがそこから伝わってくる感じがありますよね
-A:ええ、新玉ねぎを切っています
演じているお二人も「この状況はどんなことなんだろうと観察していました」「何を切っているように見えているんだろうと想像しながら演じてました」など、即興性を楽しまれている様子が伺えます。見ているほうも、この二人はどんな関係性なんだろう、このあとどんなドラマが生まれるんだろうと2人のやりとりから勝手に想像を巡らせていました。
今までにあまり体験したことのない90分間はあっという間に終わりました。「もっとやりたい」「すごく新鮮な体験。参加したみなさんと初対面なのに不思議な一体感が生まれて面白かった」「対等な場で世界を作れる」などの感想がありました。
相手の動作や話し方ひとつで話の展開が変わっていく面白さ、自分では想像しえなかった情景が生まれる面白さが即興演劇にあるなぁなんて、今回初めて体験したのに、もうすでにインプロの世界にハマりかけています。
■レポート/大田真奈
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「創造性で遊ぼ!インプロ入門@ジン大」
・2021年5月28日(金)21:00〜22:30
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