「いまできることを小さく動くこと、2年後にこうなっていたいを描くこと」
プロ野球オープン戦と同日に開催となった今回のオンライン授業。野球も無観客試合での開催となり、新型コロナに翻弄されてきたこの3か月間ですが、緊急事態宣言が解除されたいまもなお、私はいまだに自宅での時間が長くなっています。
今回の先生は、なにかしなくては!と緊急事態宣言の真っ只中に「住宅地にキッチンカーを届けるボランティア」をスタートさせた、ヤスムラミチヨシさんです。今後やってくるだろう第2波にむけて、私たちはどんな備えができるのか。ヤスムラさんの話をヒントに参加者の皆さんと語り合いました。
■ヤスムラさんと、この3か月間
カフェとシェアスペースがある「レインボー倉庫」の運営、空き家の利活用や改修等を行う「(株)TOWN DESIGN LABO」の代表を担うヤスムラさん。人と接する、イベントを扱う仕事が多かったため、今まで働きすぎなぐらい忙しかったヤスムラさんの日常は、急にステイホームを余儀なくされます。
3月中旬ごろから今までの生活や気持ちについて、自身を振り返ります。突然の学校の一斉休校の発表に混乱し、家庭内で緊急会議をしたこと。家族でZoomを試してみたこと、家族でご飯を食べる機会が増えたこと。
4月末ごろ、新しいアイディアに対する評価が変わってきていると感じていたヤスムラさんは、とりあえず、なんでもいいから動かなくちゃと思い、行動にでます。
■住宅地にキッチンカーを
イベント運営などでヤスムラさんにとって、キッチンカーの存在はなくてはならないもの。休業要請の対象に、キッチンカーが対象になっていないことにヤスムラさんは驚きます。すぐに広島県の担当窓口に問い合わせをしますが、休業要請の対象にはならないとの回答。キッチンカーの方も休業するか、廃業するかの選択肢を迫られるなか、なんとかキッチンカーのみなさんの力になれないかと動きだします。
まずは住民からの声を集めるべく、アンケート調査。123件の回答、8割の人から近所にキッチンカー来てほしいという意見があったそうです。その後4日間で営業許可証を取得。次に自分が住んでいる地域の区長のもとへ話をしにいき、地域の集会所の駐車場が使えることに。翌日には、廿日市市役所にキッチンカーの報告を行うと、廿日市市の公認ももらうことができました。1か月の自粛生活から、いま住民の人がこういう場所を必要としている!と改めて実感したとヤスムラさんはいいます。
■人のつながりの大切さ
授業の後半は、ヤスムラさんの話をヒントに、グループに分かれて意見を交換し合いました。
・何ができるかがわからないなか、一歩を踏み出すという行動力がすごい。
・日ごろのつながりがあるからこそ、サポートしたい人も手伝える関係性が出来ているのでは。
・改めて人のつながりの大切さを感じた。
・こういった時期にもかかわらず、キッチンカーの活動が地域の人に喜んでもらえたこと、クレームを受けることがなかったということに驚いた。
という意見や感想がありました。
キッチンカーの活動を始めたときには、喜んでもらえる一方、厳しい言葉もあるだろうとクレームを受けることを覚悟していたそう。でも実際クレームは全くなく、住民から感謝の言葉を頂けたそうです。今後新型コロナと付き合っていく中で、感染症対策ももちろん、関わる人に「なぜ、いまそこでこれを行う必要があるのか」をきちんと伝えることが大切だと、この「住宅地にキッチンカーを届けるボランティア」の活動を通じて改めて感じた、とヤスムラさんはいいます。
■今この状況だからこそ、2年後の夢を描いてほしい
新型コロナの状況下において、どうしても目の前のことに気持ちが行ってしまいがちです。だけど、ヤスムラさんは「2年後の夢を描くことを是非してほしい、このことは皆さんに伝えたいです」と。冷静に判断すること、共有できる仲間を見つめていくこと。2年後だと、イメージもわきやすいし、わくわくしたことを考えることが、いまを乗り越える力にもなりますよね。
■レポート/大田 真奈
<授業詳細>------------------------------------------------------------ 走れ、キッチンカー!~新型コロナに立ち向かう方法~ 2020年6月19日(金)開催
新型コロナウイルスの緊急事態宣言解除から、およそ一ヶ月。
「新しい生活様式」や「新しい働き方様式」に戸惑いながら過ごしている方も多いはずです。
今回のジン大オンライン授業は、緊急事態宣言の真っ只中に
『住宅地にキッチンカーを届けるボランティア』をスタートさせた
ヤスムラミチヨシさんを先生にお迎えします。
『住宅地にキッチンカーを届けるボランティア』とは、
補償が貰えず困っているキッチンカーと、
団地や住宅地で巣篭もりして「食のマンネリ化」をしている住民の方
の助けになればと思い、ヤスムラさんが立ち上げられました。
現在では、地域の事業者支援イベント『廿日市にぎわい市』に発展するなど、
継続して活動を続けられています。
今回の授業では、この活動をどのようなプロセスでカタチにしていったのか?
様々な制限の中で活動するメリットやデメリット、
現在も定期的に行われている『廿日市にぎわい市』の仕掛けなどを教えていただきます。
また後半の時間では、前半のトークセッションを受けて、
参加者のみなさんで『困難に、どう立ち向かうか?』を考えるオンライン・ワークショップを開催。
まだまだ不安定な未来を乗り越えるアイデアやヒントを一緒に考えてみませんか?
※この授業ではオンラインでの遠隔ミーティングシステムの一つ「Zoom」を使用します。
※また、授業の「前半」のトークセッションの様子を後日Youtubeで配信します。(先生と聞き手の2人のみが映ります)
【当日の流れ】
19:50 受付開始
20:00 授業開始
・前半:トークセッション
・自己紹介
・『住宅地にキッチンカーを届けるボランティア』のプロセス
・『廿日市にぎわい市』の作り方
・今後の展望
20:30 後半:小グループに分かれて語らい
21:30 授業終了
【定員】
20人
【参加費】
無料
【参加方法】
先着申込順です。
※申込みいただいた方には後日、参加用のURLをお送りします。
前日になってもメールが届かない場合は、jindai@jindai.hiroshima.jp までお問い合わせください。
【お願い】
・事前にパソコン、もしくはスマホでZoomのアプリをダウンロードしてください。
(※操作性が高いため、パソコンでの参加をおススメしています。)
Zoomのダウンロードはこちらのサイトをクリックください。
・PC https://zoom.us/download#client_4meeting
・iphone https://apps.apple.com/jp/app/zoom-cloud-meetings/id546505307
・Android https://play.google.com/store/apps/details?id=us.zoom.videomeetings&hl=ja
・先生とのコミュニケーションをより取りやすくするため、
Zoomに参加する際には、声と顔の表示のご協力をお願いします。
・Zoomに登録する名前は、授業申込時に登録するお名前にご統一ください。
当日の受付がスムーズになるため、ご協力のほどよろしくお願いします。
<先生>----------------------------------------------
ヤスムラミチヨシ(レインボー倉庫広島/(株)TOWN DESIGN LABO代表取締役)
地域の様々な課題に取り組むことが仕事を超えて趣味になってきている広島人。空き家や空き地、遊休施設などの活用事例を発信。レインボー倉庫広島/(株)TOWN DESIGN LABO代表も兼任する。
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