12月23日(月)、Machi+Gotoで、YUYAROAST主催のコーヒー教室「元コーヒー農園ガイドが美味しいコーヒーの秘密教えます。(焙煎編)」が行われました。
広島市内を中心にお店を構えずホテルのロビーやイベント会場に出向く「ポップアップ」という形態で営業しているYUYA ROASTの藤井勇也さんは、大学時代に社会起業を学ぶ中で一冊の本『美味しい珈琲の経済論ー「キリマンジャロ」の苦い現実/辻村英之』に出会い、世界の産業の中で、コーヒー産業に従事する労働者の数が最も多く、コーヒー豆の流通量も石油の次に多く世界第2位、そして日本は世界で4番目のコーヒー消費国であることを知ります。
そのコーヒーを通して社会を見てみたいと、大学を3回休学してキリマンジャロはじめ世界のコーヒー農園をまわり、卒業後は小笠原父島のコーヒー農園に就職しツアーガイドを経験。その後、Uターンして地元広島でYUYAROASTを開業しました。
翌日にクリスマスイブを控えたこの日は、コーヒーの木でつくったクリスマスリースを飾って講座がスタート。
まずは焙煎について。
・コーヒーの味は、豆の違いだけではなく、焙煎の度合いでもまったく違う味になる
・焙煎の度合いはLightからItalianまで8段階
・秒単位で味が変わる
・中煎りと言われるシティローストのシティとはニューヨークのこと
次に、中煎りと深煎りの違いを実際に試飲してみます。
たしかに中煎りはまろやかで飲みやすく、深煎りは苦味が強くコクがあります。
さらに知識を深めていきます。
藤井さん手作りのスケッチブックをめくるたび、ページからあふれる情報量。参加したコーヒー好きの皆さんもすかさずメモして写真を撮ります。
・日本でのコーヒー豆生産の歴史は1878(明治11)年、ジャワから小笠原に移植されたのがはじまり
・コーヒー豆はコーヒーベルトと呼ばれる赤道を挟んだ熱帯地域で主に生産される
・コーヒーの木はジャングルの高い木の下の日陰が原産地
・珈琲豆とは、コーヒーチェリーのタネの部分
・コーヒー豆には2種あり、一般に流通しているのはアラビカ種、工業用(缶コーヒーやインスタントコーヒー)はロブスタ種
・コーヒーチェリーを乾燥させ豆にする手法も、乾燥式、半水洗式、水洗式と3種類ある などなど
コーヒー流通の川上から川下までを知り尽くした藤井さんの話に、参加者の皆さんの質問も絶えませんが、続いて焙煎体験です。
お椀に一杯の生豆をとり、欠けた豆などを取り除く「ハンドピック」作業から。
豆の大きさが揃っていると、ムラなく焙煎できるそう。
生豆はブラジルの「ナンバー2」。ハンドピックすることで「ナンバーワン」になるのだとか。
続いて、いよいよ焙煎です。ガスコンロの直火で均一に焙煎していきます。
ポイントは強火と遠火。脇を閉めて手首を左右に振り続けること約5分。二の腕や手首がつらくなってきた頃から、香ばしい香りと、「パチン!パチン!」と大きな音が(「いちハゼ」と呼ぶそうです)。
このあたりが中煎りのシティロースト。心地よい音と香りに、腕の疲れも忘れて楽しくなってきます。シティローストが好きなので、このあたりでやめようかと思いつつ、もう少し音と香りを楽しみたいので続けます。
すると音が変わり、「パチッ、パチッ」と小さな音に(「にハゼ」だそうです)。このあたりから深煎り。もっと聞いていたいけど、煎りすぎると焦げてしまうので火を止めて、ザルにあけ、うちわであおいで余熱をとります。余熱でも焙煎が進んでしまうので、ここは急いで中庭の冷たい風に当てながら冷ましました。
最後に再び試飲タイム。自分で焙煎したばかりの、まだあたたかいコーヒー豆をその場で挽いて、藤井さんに淹れていただきました。
・たしかに、やっぱり中煎りと深煎りの違いだね
・やっぱり深煎りが好き
・自分は中煎りのほうが合う
・中煎りは薄く感じるけどごくごく飲めそう
・試飲しすぎてわかんなくなっちゃった(笑)
参加者の皆さんそれぞれが自然に感想を話し、講座は終了しました。焙煎した豆はお土産に持ち帰り、毎日少しずつ贅沢なコーヒータイムを楽しんでいます。
YUYAROASTでは、2020年1月から毎月第2日曜の17時〜、焙煎体験ができるTAKIBI ROAST を広島市中区流川町の岡部ビル屋上のSTREET BASE CAMPで始めるそうです。
詳細はInstagram YUYA ROAST をご覧ください。
■レポート・写真/木村静
Comments