「これから」をどうつくっていくか
オバマさんが現職の大統領として初めて広島を訪れてから2か月強、そして71年目の8月6日の翌日、授業を開催しました。 新聞などの報道によると、被爆者を含む大半の市民はオバマさんの広島訪問を肯定的に受け入れている、という現状があるようです。一方で、謝罪なき訪広に対する強い批判などがあるのも確か。 授業では、まだまだ評価の定まらないオバマさんの広島訪問について、「いま」思っていることを言葉にし、お互いに共有しあおう、残しておこうという目的のもと開催しました。 参加した学生さんたちからは、次のようなコメントが出されました。 「今回の訪問を、アメリカの国民がどのように考えているのか知りたい」 「5月27日(オバマさんの来広日)以降、市民レベルでの今後の広島の平和活動の方向性を見失ってないか」 「オバマさんだから来たけど、今後の米国現職大統領が広島に来るとは、ちょっと思えないな・・・」 「今回の訪問は大統領として、というより、個人として来たような感覚が・・・」 「オバマさんの広島訪問は、当初は高い評価だったけど、その後、街が冷静になるにつれて、その評価は下がっているような気がする」 「今年の8月6日は、報道も含めて静かだった気がする。オバマさんの来広で広島全体が疲れてたのかな」 「オバマさんの来訪により、被爆者の方々が喜んでおられたことが、嬉しかった」 「マスメディアの報じ方が、マジョリティ側の意見ばかりが前面に出てて、もやもやした」 などなど・・・ 後半、話は今後(オバマさんの来広日後)「広島」が何をしていかなければならないか、に話が及びました。 「風化させない、継承するといったとき、何を継承するのか、何を風化させないのか、まずは明確にする必要がある」 「広島の被害の歴史だけではなく、他都市の被害、また加害の歴史もあわせて学ばないと、他県、異国、異文化の人々の理解、共感を得られない」 「被爆者の方々の高齢化により、今まで以上に私たちが今後何をしていくのか、を考 えなければと思う」 「10年後、20年後も、私たちはアメリカに謝罪を求めるだろうか?」 「広島の心、広島からの平和と言ったりするが、その実態、その意味することは共通認識になっていない。改めてそこに立ち返る必要があるのではないか」 「感情的なこと(右脳)と、論理的なこと(左脳)を分けて考えなければ、何を継承 するのか、何を記憶にとどめるのか、見えてこないのではないか」 今回の授業は、一つの答えを求めるのではなく、あくまでもオープンエンドのディスカッション形式で行いましたが、「今後、私たちは何をしていくか」については、参加者みんなの共通テーマの一つであるようでした。 このような議論が、この授業の場だけではなく、学校や地域や家庭内など、さまざまな場で行われるような「広島」、タブーなどを乗り越え、「議論できる街、広島」になったらいいなと思います。 ■レポート/平尾 順平 ■写真/大田 真奈
------------------------------------------------------------ <授業詳細>
2016年08月07日(日) 14時00分 ~ 16時00分
教室:ジン大ベース
2016年5月27日(金)。 アメリカの現職大統領として、オバマさんが初めて広島を訪れました。 この訪問については、 「来てくれただけで大きな成果」 「来訪はよかったが、演説の内容は具体性に欠けた」 「謝罪しないなら来なくてよかった」 などなど、賛否両論があります。 ・・・ 今回の授業は、 「オバマさんが広島に来たコトについて、みんなで考えてみよう。」 というシンプルな内容。 何か一つの「答え」を求めるのではなく、オバマさんの訪問について、 どう感じ、何を考えたのかについて、 ざっくばらんに「共有」できたらと思っています。 お気軽にご参加ください。
<先生>
街のみなさん / ・_・
ひろしまジン大学の先生は、広島に関わる人たち一人一人。 みなさんが思い、暮らす「広島」を教えてください!
<教室>
ジン大ベース
住所:広島市中区寺町6-15 上森ビル1階 アクセス:広島電鉄「寺町」駅より徒歩2分
ひろしまジン大学の事務所です。 事務局や教室として活用する一方、情報や人材など『交流』を生むオープンスペースとして、今後サロン的役割も果たして行きます。閑静な寺町の一角からどんな未来が生まれるのか?乞うご期待!!
カテゴリ:【平和】 言 語 : 日本語のみ 定 員 :15人
参加対象:どなたでも。