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​授業レポート

ジン大の社会科見学シリーズ #18 広島市中央卸売市場

プロフェッショナル -市場の流儀-

午前3:30。 その日、ひろしまジン大学で最も早い時間帯の授業が行われた。 広島市中央卸市場、種々の「食」が集まるその場に、我々は潜入した。 市場の朝は早い。 我々が普段眠りに就く0時頃から、市場は目覚め始める。 寝ぼけ眼をこすりつつ参集した3:30、既に魚市場は受入や出荷が殆ど終了している時間であった。 -「命を頂く以上は、きちんと締めなければならない」 或る男は言った。 築地向けの出荷場、全国から集まる大市場の中で広島の魚が存在感を示す為に開発された手法。それが、「抜血」と「神経締め」。 魚が苦しんで暴れると鮮度が落ちる。故に、苦しまずに締め、同時に味を魚の中に凝縮させることで、美味しさを保つ。 命を頂く現場だからこその重みが、その発言には詰まっていた。 -「競りで納得いかない価格だと、売らんこともある」 或る男は言った。 現在は「相対」という、売り側と買い側が双方向で会話をし値付けが基本の中、特別な魚に於いては今でも「競り」が行われている。 威勢の良い掛け声が飛び交う中、残った魚がある。理由を尋ねると、納得いく価格を買い側が提示しなかった為、敢えて売らなかったと言う。 ただ「売る」だけでなく、漁業を営む方を背負っているプライドが、その背中に垣間見えた。 -「この商売に就いて、連休は無い」 或る男は言った。 昭和に制定された「卸売市場法」により、市場は2日以上の連休は取れない。 輸送や保存方法が改善された今でもその法律は効力を持ち、市場に携わる方は家庭もありながら、連休無しで仕事をされている。 地域で活きている人々の胃袋、生命を支えているという自負を、その表情が物語っていた。 我々が普段スーパーで購入し、或いは飲食店で口にする食物。 昨今生産者が取り上げられる風潮が強いが、その裏には、物流・流通網を支え、そして経済を成立させるための適正な値付けを行う方々が存在する。 今回の授業は、そんな身近な「食」に対する見方を変えてくれるものであった。 市場の朝は早い。 我々が眠りに就く時間、今日も市場には、威勢のよい掛け声が木霊する・・・ ■レポート/三枝 大祐 ■写真/藤本 寛子

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2016年10月15日(土) 03時30分 ~ 07時30分

教室:広島市中央卸売市場

ジン大の社会科見学シリーズ第18弾は、 広島市中央卸売市場へお伺いします。 食生活に必要な野菜・果物・水産物・食肉などの 多種多様な生鮮食料品とその加工品が、 国内外からこの市場へ集まり、せりなどによって売買され、私たちの食卓へと運ばれています。 今回は主に魚市場へ潜入。 市場の中やせりの様子などを見学しましょう。 市場の朝は早いです! 授業ももちろん市場の時間に合わせて、朝早くから開始します。 見学を通じて、「食」についてじっくり考えてみませんか。 【授業の流れ】 3:30 集合 3:40 授業開始 ・魚市場の売場見学(実際のセリ見学) ・水産棟仲卸見学 ・ 記念撮影 7:30 授業終了 【集合場所】 ※教室と集合場所は異なります。お気を付けください。 トヨタL&F広島(株)中央市場(営) (広島市西区草津港1-8) 集合場所地図:https://goo.gl/maps/DAjjg4pSUaQ2 【交通手段】 公共交通機関が運行していないため、お車でお越しください。 【入場】 集合場所へは、集合時間までに必ずお越しください。 なお、10分を超えて遅刻された場合は受付終了となり、授業へ参加することが出来ませんのでご注意下さい。 【当日連絡先】 070-5522-9638(ひろしまジン大学事務局) ※緊急のご連絡の場合のみ、おかけ頂きますようお願いいたします。 (授業コーディネーター 鹿渡 成樹)

<先生>

三浦 博 / 広島魚市場株式会社 勤務

広島魚市場株式会社では、水産物、その加工品並びにその他の生鮮食料品の受託販売、これらの買付およびその販売、水産物の貯蔵、凍結、冷蔵および製氷並びに生鮮食料品の製造加工販売を行っています。

<教室>

広島市中央卸売市場

住所:広島市西区草津港1-8-1 広島市中央卸売市場内 アクセス:山陽道五日市インターチェンジから8km。

広島市中央卸売市場は中央市場、東部市場、食肉市場の3市場からなっており、市民生活に欠かせない野菜・果物・鮮魚・食肉などの生鮮食料品や生活に潤いや安らぎを与えてくれる花き・花木を取り扱っています。

カテゴリ:【社会科見学】 言 語 : 日本語のみ 定 員 :10人

参加対象:どなたでも

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