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​授業レポート

お茶のきほん~教えて、綿岡大雅園さん~

街の小さなお店の 大きなたからもの

通勤や通学の途中、休日に街中を散歩している途中、ふと目についたお店に、あなたは入ったことがありますか? 市電十日市町から徒歩で南下した場所に、歩いていて「ふと目につく」小さなお店があります。お茶や茶道具が軒先に並べられているそのお店の名前は「綿岡大雅園」。今回の授業は、そんな街の小さなお店を訪ねました。 大正12年創業、今年で93年の歴史になる綿岡大雅園は単なる年月以上の歴史を刻んでおります。1945年に原爆が広島に投下された際、綿岡大雅園も被災し当時の建物は全焼。ご家族の中で唯一被災を免れた現店主のお母さまがお一人で再建し、現在の店舗になったそうです。有名な絵本「いわたくんちのおばあちゃん」はまさに、店主の岩田美穂さんのお母さまを描いたものなのです。 そのような歴史を刻んだお店の事務所に、ずらっと急須と、数種類のお茶が並べられます。お茶の良い香りが店内中に漂う中、明るくお優しい美穂さんからお茶について説明頂きます。 一番の驚きだったのは「お茶はすべて一つの種類から作られる」ということでした。基本的にお茶の種類は一つ。それが産地によって「宇治茶」や「静岡茶」や「八女茶」になり、 葉や茎など使う種類により「煎茶」や「かりがね茶」になり、製法により「番茶」や「焙じ茶」になるそうです。家で普段お茶を飲んでいる学生さんも改めて「お茶とは」を再定義する機会は初めてで、感嘆の声をあげておりました。 一通り説明が終わった後は「お茶屋さんに聞く、美味しいお茶の淹れ方」の実践!一人一つご準備頂いた急須で、お湯の温度や蒸らし時間を変えてみながら淹れてみます。不思議だったのはほぼ同じタイミングでお湯を入れて、湯飲みに注いだお茶でも味が変わるということ。お互いにお茶を淹れ合っこしながら「少し甘め」とか「渋みが良い」とか、みんなでお茶ソムリエ気分。 もちろん、お湯温度や蒸らし時間の微妙な差異が味に出て来るというのはあるのでしょう。 しかし、皆で飲んでいるうちに淹れた人の個性がお茶にも出ている気がして、暖かいほっこりした気持ちになれました。 街を歩いていてふと目につくお店。 その中には、長い歴史とほっとするお茶と、そして美穂さんの明るい笑顔という「たからもの」が確かにありました。 後日、お店を訪ねた時も変わらない笑顔でお抹茶を出して頂き、心がすごく癒されました。 小さなお店にある、大きなたからもの。 みなさんも、周りにある「たからもの」を見つけてみてください。 そしてその「たから」を是非、周りの方や私たちに、教えてください。 ■レポート/三枝大佑 ■写真/尾川由香梨

------------------------------------------------------------ <授業詳細> 2016年04月24日(日) 14時00分 ~ 15時30分

教室:綿岡大雅園(わたおかだいがえん)

海外でも「健康に良い」と人気の日本茶。 みなさん日常的に飲まれていますか。 身近にありながら、意外と知らない事も多いのでは? 「餅は餅屋」ということわざがあるように、お茶の事ならお茶やさんに! ということで今回の教室は、 十日市にあるお茶と茶道具のお店、創業90余年『綿岡大雅園』です。 歴史を感じさせる、使い込まれた茶箱の並ぶ小さなお店で、 お茶のきほんについて聞いてみましょう。 先生は三代目店主の岩田美穂さん。 日本茶といっても、煎茶、玄米茶、ほうじ茶と種類も様々。 授業ではお茶の種類や家で簡単に実践できる淹れ方のコツを学んだあと、飲み比べも行います。 お茶は飲むけど、実はよく知らないという方、 街のお茶やさんで一緒に話を聞いてみましょう。 新茶の美味しい季節を前に、日本茶のある暮らしを楽しみませんか? 【授業の流れ】  13:45 受付開始 14:00 授業開始 ・お茶のお話 ・美味しくお茶を淹れてみよう! ・いろんなお茶を飲み比べてみよう! 15:20 記念撮影・レポート記入 15:30 授業終了 【持ち物】 ・実費500円(お茶代として) 【集合場所】 綿岡大雅園 【入場】 集合場所へは、授業開始時間までに必ず集合して下さい。 なお、10分を超えて遅刻された場合は受付終了となり、授業へ参加することが出来ませんのでご注意下さい。 【交通手段】 公共交通機関でお越しください。 【当日連絡先】 070-5522-9638(ひろしまジン大学事務局) ※緊急のご連絡の場合のみ、おかけ頂きますようお願いいたします。 (授業コーディネーター 大下愛)

<先生>

岩田 美穂 / 綿岡大雅園 店主

お茶と茶道具専門店「綿岡大雅園(わたおかだいがえん)」三代目。 近年、急須でお茶を淹れていただく、という日本文化が薄れてゆく中、本来のお茶の美味しさを感じていただきたいと思っています。お茶の種類、特徴、淹れ方、日常の中でちょっと知っておくだけで美味しさも違います。ホッとするひとときが美味しい日本茶でより心豊かに過ごせるようお手伝いさせていただけたら幸いです。 被曝2世として、「本川小学校平和資料館」でボランティアガイドもしています。絵本「いわたくんちのおばあちゃん」は母の被曝体験のお話です。 美味しいお茶で心和やかい過ごすことも平和につながります。 すべては心。日々美味しいお茶であなたの心を癒してあげましょう。

<教室>
綿岡大雅園(わたおかだいがえん)

住所:広島市中区十日市町一丁目3−24

大正12年創業 お茶と茶道具の専門店。 歴史を感じさせる茶箱が並ぶ店内。お店の方に色々とお話を聞きながら、好みのお茶を購入できます。好みの量でお茶の測り売りもしてもらえます。緑茶、抹茶、ほうじ茶などの茶葉や急須や茶筒、茶道具も取り扱っています。

カテゴリ:【食】 言 語 : 日本語のみ 定 員 :5人

参加対象:おうちで日常飲む日本茶を楽しみたい方

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