コミュニケーションを学ぶ
6月の説明会からはじまり、料理・図工・芸術・文学・保健、と半年に渡って開かれてきた「イクメン・カジダン養成講座」。いよいよ今回が最後。テーマは「コミュニケーション」です。 家族・親戚・友達・仕事・ご近所・・・人付き合いは人生と切っても切れないもの。でも、よく考えると、具体的なコミュニケーションの取り方を習う機会ってあまりないですよね。親をはじめとする周りの人々・環境の影響を受けながら、築き上げられてきたという人がほとんどではないでしょうか。 つまり親のコミュニケーションの取り方が、その後の子どものコミュニケーションの取り方にも影響してくる。そう考えると、本当に重要なテーマです。 今回の先生は、コミュニケーション・コンサルタントの三上かおりさん。 会場となる「ゆいぽーと」には、子育て中のパパをはじめとする30人を超える人が集まりました。 はじめに、ウォーミングアップで、学生同士の交流を行いました。 まずは簡単な挨拶から。ルールは①相手の目を見ること②相手の名前を呼ぶこと③握手・ハグなどのスキンシップをとること。制限時間内で、どれだけ多くの人と挨拶できるかに挑戦。 うまく挨拶ができたという人がいる一方で、「異性の人に声をかけるのは緊張した」「初対面で目を見るのはなんとなく恥ずかしい」といった声もちらほら・・・。 次に、3人組に分かれ、A:話し手、B:聞き手、C:観察者になってのワーク。 テーマは「今日この授業に参加した理由」。Aは“わたしは~”という言い方を意識して話をし、Bは話をしっかりと“聞く”ことを意識し言葉を受け取ります。 それぞれの立場で会話を行うことにより、今まで意識していなかった自分に気付いたという感想が多く聞かれました。その気付きこそがコミュニケーションを極める第1歩だと三上先生。自分コミュ(=自分とのコミュニケーション ※先生の作られた言葉だそうです)で、まずは自分を知ることからはじめてほしいとのことでした。 そしていよいよ、親子間のコミュニケーションについて、具体例のロールプレイで検証していきます。 例としてあげられたのは「お弁当箱」をめぐる母子の会話。お母さんは、娘の花ちゃんが学校から帰っても、なかなかお弁当箱を出してくれないことに困っています。 こういうとき、どう母は子どもにどう声をかければいいのでしょうか。 学生の皆さんは、母役・子ども役になっていくつかの会話パターンを再現していき、その時にどのような気持ちになったかについて話し合いました。 「イライラした」「反発したい気持ちになる」「疲れる」 「素直に言葉が入ってきた」「相手の気持ちを理解できた」 当然のことながら、言葉が違うだけで伝わり方はもちろん、抱く感情も違ってきます。 では、きちんと内容が伝わり、かつお互いが嫌な気持ちにならない伝え方にするためにはどう言葉を組み立てればいいのか・・・そのコツは『わたしメッセージ』を心がけることにありました。 『わたしメッセージ』とは、話をするとき、「相手の行動(具体的な事実)、自分への影響、自分の感情」をしっかり整理し、それらを相手にわかりやすい言葉で伝えるということです。これをするだけで、まず自分の気持ちを落ち着かせることができ、また相手の反発も少ないといいます。そして、相手の反応もしっかり受け止め、そのうえで、もう一度『わたしメッセージ』を伝えることにより、コミュニケーションがよりうまくいきやすくなるとのことでした。 コミュニケーションに重要な『わたしメッセージ』という“道具”を得て、3時間の授業は終了しました。 今回の授業で得た道具は、使い方次第でその効果は変わってきます。 繰り返し練習をしたり、伝え方を相手に合わせて調整したりしていくうちに、きっとうまくいくコミュニケーションが見つかるはず。 コミュニケーションのチャンスは、いろんなところにあります。 まずは、やってみることがはじめましょう。 (レポート|ひろしまジン大学サポートスタッフ 釘本聖司) (写真|ひろしまジン大学サポートスタッフ 鹿渡成樹)
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教室:広島市男女共同参画推進センター「ゆいぽーと」
「どうしてうちの子は言うことを聞いてくれないんだろう…」 「なかなか理解してくれない部下を、ついつい叱り飛ばしてしまう…」 「ああ、また彼女と喧嘩しちゃった… 本当は優しくしたいのに…」 夫婦で、恋人同士で、ご近所で、職場で。 人と人が関わる場に欠かせないコミュニケーション。 一筋縄にはいかない難しいものですよね。 今回の授業では、日常に溢れるそんな「コミュニケーション」にフォーカスをあてます。 キーワードは「聞くこと」、「話すこと」、「対立を解くこと」。 米国の臨床心理学者トマス・ゴードン博士によって始められたコミュニケーション トレーニングプログラム「ゴードン・メソッド」のインストラクター、 三上かおりさんを先生に、座学とシミュレーションで学びます。 カウンセリング、学習・発達心理学、教育学など、 行動科学の研究成果を基礎にして生まれた「ゴードン・メソッド」は、 今年50周年を迎え、アメリカはもちろん世界中で話題を集めています。 親子間のコミュニケーションに焦点を置いた講座ですが、 お子さんのおられない方、未婚の方も、お誘いあわせのうえお越しください。 仕事や、学校、日常生活のコミュニケーションにおける、 たくさんの実践的なヒントが見つかるはずですよ♪ 【授業の流れ】 13:00 受付開始 13:30 授業開始 ・座学 ・グループに分かれてのワークショップ など 16:15 写真撮影・レポート記入、授業終了 ※託児スペースをご用意していますので、お子さんと同伴でお越し頂けます。 (事前にお子さんの人数とご年齢をgeneral@hirojin.univnet.jpまでお知らせください) 【集合場所】 男女共同参画推進センター(ゆいぽーと) 5階 研修室4 【持ち物】 ・筆記用具 【入場】 集合場所へは、授業開始時間までに必ず集合して下さい。 なお、10分を超えて遅刻された場合は受付終了となり、授業へ参加することが出来ませんのでご注意下さい。 【交通手段】 お車、自転車でお越しの際は、近隣のパーキングをご利用下さい。 【当日連絡先】 070-5522-9638(ひろしまジン大学事務局) ※緊急のご連絡の場合のみ、おかけ頂きますようお願いいたします。 (授業コーディネーター 平尾順平) ※この授業は「平成24年度 広島市公募提案型協働モデル事業」の 一つとして、ひろしまジン大学が広島市から委託を受けて実施する 「イクメン・カジダン養成講座」の第6弾です。 協働:広島市 協力:NPO法人キッズNPO ===================================================== ※当授業は無料の学生登録をすることで、どなたでも受講できます。 ご希望の方はお申込画面へお進みください。 =====================================================
<先生>
三上かおり / コミュニケーション・コンサルタント
公立中学校教師歴15年。数学担当。1999年より米国留学し、シュタイナー教員養成課程修了。2003年帰国。 現在、コミュニケーション・コンサルタントとして幅広く活動中。親業訓練シニアインストラクター、教師学インストラクター。毎月一回FMちゅーぴーにレギュラー出演中。一女二男の母でもある。
<教室>
広島市男女共同参画推進センター「ゆいぽーと」
住所:広島市中区大手町5丁目6番9号 広島電鉄「鷹野橋」下車、徒歩3分 平成24年4月オープン。男女の人権が尊重され、対等なパートナーとして責任を分かち合い、個性や能力を発揮できる、男女共同参画を推進する拠点施設。 アトリエやフィットネスルームなどの充実した設備を使った多彩な講座が日々開催されています。 Website:ゆいぽーと
カテゴリ:【コミュニケーション】 言 語 : 日本語のみ 定 員 :20人
参加対象:どなたでも