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​授業レポート

12人の優しい広島人 ~おしえて裁判員制度~

『人を裁くこと』とどう向き合うか

広島県で行われている裁判員裁判は、年間約30件。 裁判員に選ばれる確立は、高くはありません。 でも、もし・・・。 そんな日のための授業が、広島弁護士会館で行われました。 集まったのは学生12人と、先生である2人の弁護士・今枝仁さんと中尾文治さんです。 はじめに裁判員制度の基本的な解説をしていただいたあと、模擬裁判がスタート。 今回は、実際の事件を模擬裁判用にアレンジしたものを題材にして行いました。 事件は、店舗兼住宅で深夜に起こった放火火災。被告人はそこに住む妻。 目撃者などの直接証拠はなく、状況証拠のみで判断しなければなりません。 検察官役の今枝先生が起訴状を読みはじめると、教室内の空気は一変し、緊張感に包まれました。事件の概要と検察側の主張が述べられたあと、弁護士役の中尾先生による冒頭陳述、そして証人尋問。検察官・弁護士・裁判官は、それぞれ何を立証しようとしているのか。学生、いや裁判員の皆さんは熱心に聞き入っていました。 続いて、評議。評議では、争点となった「動機」「手段」「場所」などについて状況を整理し、“被告人が犯人であると言えるか否か”を全員で判断していきます。2グループに分かれて行い、今枝先生と中尾先生にも裁判官役として加わっていただきました。 裁判員裁判の一番のポイントは「裁判員と裁判官がお互いの知識と経験を持ち寄り、総合的に判断すること」にあります。今回も参加した全員から多様な意見が出され、議論は白熱していきました。 そして、判決。出された結論は2グループともに「無罪」。 限られた時間と情報の中、様々なジレンマを抱えながらも、一人ひとりが悩み抜いて出した判決でした。 「裁判員制度には課題もある。みんなで議論してよりよいものにしていきたい。」 最後は、今枝先生のこのメッセージで授業は終了となりました。 大切なことは、裁判員に選ばれるかどうかではなく、『人を裁くこと』とどう向き合うか、日頃から少しでもその視点を持ち続けること。そう感じさせられた授業でした。 (ひろしまジン大学サポートスタッフ 釘本聖司)

------------------------------------------------------------ <授業詳細>

2012年04月21日(土) 13時30分 ~ 16時30分 教室:広島弁護士会館

『12人の優しい日本人』という三谷幸喜さん脚本の映画をご存知でしょうか? 1991年に制作されたこの作品は、「日本にも陪審員制度があったら?」という 架空の設定から生まれた名作コメディーです。 そして、20年以上の時が経った今、 日本にも裁判員制度が導入され丸3年が経とうとしています。 特定の刑事裁判に一般の人が裁判員として、裁判官と一緒に審理に参加し、 有罪か無罪か、有罪であれば量刑の判断をする裁判員制度。 この「裁判員」は国民からランダムにくじで選ばれています。 ということは、あなたにも通知が来る可能性があるのです!! けれども、十分に「裁判員制度」について知っているか?といえば うーん・・・となってしまう方も、多いのではないでしょうか? 2009年5月からスタートした裁判員制度。 まだまだ一般に浸透しているとはいえないこの制度について、 そもそも何の為に施行されたのか?という基礎の部分から 「人を裁く」ということは、どういうことなのか?という深ーいところまで 広島で活躍する2人の弁護士さんを先生にお迎えし、「模擬裁判」を通して、考え、悩み、学びます。 この授業を受ければ、もし、実際に通知が来ても 落ちついて対処ができるようになるはずです。 学生10人と先生2人。 『12人の優しい広島人』で、裁判員制度を深く楽しく学びましょう!! 【授業の流れ】 13:00 受付開始 13:30 授業開始      座学「裁判員制度とは?」 14:00 模擬裁判 14:40 評議 15:20 結論についてのディスカッション 16:30 終了予定 (内容により時間が変動する可能性があります。17時までの延長の可能性をご考慮ください。) 【集合場所】 広島弁護士会館 入口 (RCC本社向かい) 【持ち物】 筆記用具 【入場】 集合場所へは、授業開始時間までに必ず集合して下さい。 なお、10分を超えて遅刻された場合は受付終了となり、授業へ参加することが出来ませんのでご注意下さい。 【交通手段】 お車、自転車でお越しの際は、パーキングをご利用下さい。 (授業コーディネーター 安彦恵里香)

<先生>

今枝仁 / 弁護士

広島学院高校中退後、大検を取得して26歳で上智大学法学部を卒業。東京地方裁判所刑事部事務官、司法修習生、東京地方検察庁検察官を経て、平成13年から広島弁護士会登録弁護士。その傍ら、公益社団法人広島被害者支援センターの監事も務める。手がけた著名事件は、東京地裁事務官時代に東電OL殺人事件、厚生省事務次官汚職事件、弁護士として広島女児殺害事件(木下あいりちゃん事件)、光市母子殺害事件など。著書に扶桑社「なぜ僕は『悪魔』と呼ばれた少年を助けようとしたのか」がある。元広島弁護士会刑事弁護センター副委員長。裁判員裁判では、被害者参加弁護士を経験。今枝仁法律事務所を開設し弁護士活動をなす。 広島在勤在住。 Website:http://imajin.jp/

中尾文治 / 弁護士

弁護士。広島県広島市出身。大学時代は、見かけによらず?ダンスに明け暮れる。 現在、企業法務、知財、相続等の民事事件の外、刑事事件も取り扱い、会社経営者から刑事被告人まで、幅広いクライアントと向き合う。日々の業務の中で、物事は多面的な見方をしなければならないことを実感しつつ、奮闘中。広島在勤在住。

<教室>

広島弁護士会館

住所:広島市中区上八丁堀2-66 広島電鉄 白島線 「家庭裁判所駅」より徒歩5分

裁判所のとなりにある、広島弁護士会の事務局及び会議室がある建物。 記者会見や、弁護士会の委員会などに使用されている。

カテゴリ:【社会】 言 語 : 日本語のみ 定 員 :10人

参加対象:どなたでも

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