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​授業レポート

旧日銀EXsite #5『日韓アート交流アクト展~touch~』 韓国アートを詠む

感性を注ぎ込め!韓国アートの奥深さを俳句で詠む

韓国アートって何?雲をつかむ感じです。 韓流ドラマ、音楽、グルメ、などで日韓の文化交流が盛んになったとはいえ、僕らは韓国のアート事情を知らなかったりします。「?」の思いを胸にして、好奇心旺盛な十数人の参加者が旧日本銀行広島支店に集いました。 まずは、久保田先生ナビゲートのもと、韓国から2人の作家の方が先生となっての講義です。 最初にリュ・イクサンさん。写真をモチーフにしながら、大学でも教授として学生に教えられています。世界のモダンアート界におけるアジア、韓国アートの位置付けを知ることができました。日本人ではムラカミタカシさんの名前を見ることができます。一方、韓国アートの躍進ぶりの凄さには驚きの連続でした。億単位の取引にはため息がもれます。金額とポジションを聞く限り、日本を凌駕しています。そんな事実にも驚かされました。一方「2008年のリーマンショックが美術業界に与えた影響も大きかった」という言葉も耳に誇ります。 次に彫刻家のチャン・ソナさんによる講義。「作品には人間の欲望を投影させている」ということです。モニターに写し出された作品に解説が加えられると、学生の皆さんが微妙に反応します。納得している方もいれば、首をかしげる人もいる。これがアートなのです。 現代アート、韓国のアートを理解するにはどうすればいいのか…。 その導きとなったのは、今回「俳句」でした。俳人の石川まゆみさんが先生として登場します。「現代美術と俳句は似ている」という発想から、アートから感じたことを俳句で表現してみる、というのがワークショップのテーマです。石川さんから提示したルールは「5・7・5の提携を守ること」、「できるだけ季語を使用すること」の2つ。「その中に正解はありません。自分で感じたことを俳句にしてみてください」と石川さん。学生はその言葉を受けて、勇気を振り絞って言葉にしてみたのです。 講義先となった教室から旧日銀内の地下1階にある展示スペースに移動しました。最初に作品に関する説明を受けた後、約30分間、感じた作品の選択と俳句を詠む時間に当てました。 思いは様々でした。最初から「この作品で詠む」と決めているのか、惚れ込んだのか、1つの作品の前から離れない『インスピレーションタイプ』。一方、迷いながら隅々まで鑑賞して回った後にじっくり考え込む『熟考タイプ』など様々でした。残り時間5分を切ると、「時間がない!」と慌てる方もいました。 教室の会場に戻って、自分の想いを5・7・5に託します。そして選句の時間です。 皆さんの俳句の張り出された白板で、各々で評価していきます。「これがよい!」と思ったものを選びます。 トップは4票を獲得した次の俳句でした。 「今はまだ 開花を夢見 カベの花」 ちなみに「普段は全く俳句をしたことがない」ということ。そんな方が数多くいたのも今回の講義の特徴でした。他にも日韓の歴史を意識したもの、美術の意図とは関係せずに自分の解釈や気持ちを込めた俳句もありました。投票数に関係なく、素晴らしい名句が揃いました。石川先生も、その出来には満足していました。 中には「今後も俳句をやっていきたい」「韓国のアートにも注目したい」という学生さんもいました。参加者にとって心ときめく授業になったはずです。 (ひろしまジン大学スタッフ 中牟田 康)

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2012年02月18日(土) 13時00分 ~ 16時30分 教室:旧日本銀行広島支店

韓国と聞いてイメージするのは… 韓流ドラマや大人気アイドルグループ? キムチ、ピビンバなどの、グルメ天国? それともエステやマッサージ? エネルギッシュで魅力満載な韓国ですが…実は『芸術~アート~』もスゴイんです!! 今年で10年目を迎える、『日韓美術交流展』をご存知ですか? 広島とソウルのそれぞれで活動する現代美術作家の作品を一同に展示し、 リアルタイムな現代美術表現に触れ、刺激し合う展覧会です。 いままでに数多くの作家さんたちが韓国や日本を行き来し、交流を深められています。 2月17日から開催される「日韓アート交流アクト展」では、 広島からは8人、韓国からは9人の作家さんが参加。 (※韓国からは6人の作家さんが参加となりました。1/24追記) 国境を越えた魅力的な作品達が、旧日本銀行広島支店を埋め尽くします。 今回ひろしまジン大学の授業では、 この展覧会に参加されている韓国と広島の作家さんを先生にお迎えします。 前半は、 リュ・イクサンさん(写真家・南ソウル大学教授)、キム・ヨンヒさん(造形作家・ギャラリーThrough代表)による、最新韓国現代美術トーク。(※キム・ヨンヒさんの代わりに、チャン・ソナさん(彫刻家、東洋美学・哲学博士)が参加くださることになりました。1/24追記) 久保田貴美子先生にナビゲート頂き、 流行のアートやパブリックアート、また日本とは違うギャラリー事情など あっと驚く最新の韓国アート情報を教えて頂きます。 後半は、 俳人の石川まゆみ先生から『フォト俳句』を学びます。 この交流展に開催当初から参加され、また今回も作品を出展されている石川先生は、 写真と俳句による作品を創るアーティスト。 先生から、俳句のイロハを教えて頂きながら、 なんと韓国アートを題材にオリジナル俳句を詠むという… これぞまさに日韓交流!! 芸術という言葉で、韓国と広島がグッと近くなる授業に是非参加してください!! 【授業の流れ】 12:30 受付開始 13:00 授業開始 13:10 韓国アーティストによるトーク      最新の韓国アート事情などをお話し頂きます      14:15 ワークショップ      韓国アートを題材に俳句を詠みます 16:20 記念撮影・アンケート記入 16:30 授業終了 【集合場所】 旧日本銀行広島支店 3Fフリースペース 【持ち物】 筆記用具をお持ちください。 【入場】 集合場所へは、授業開始時間までに必ず集合して下さい。 なお、10分を超えて遅刻された場合は受付終了となり、授業へ参加することが出来ませんのでご注意下さい。 【交通手段】 お車、自転車でお越しの際は、近隣のパーキングをご利用下さい。 (授業コーディネーター 小原真奈)

<先生> 久保田貴美子 / 造形作家、比治山大学短期大学部幼児教育科准教授

奈良県出身。広島大学を卒業後、比治山大学短期大学部美術科助手を経て、現在、幼児教育科准教授。 造形作家としての活動は幅広く、 これまでに国内外での個展7回、各種公募展・コンクール入選、グループ展等多数の出品歴あり。「‘日常の中での非日常’を提供し、いろんな人に驚きを与えたい」というのが作品を作る上での基本的なコンセプト。 また国際交流にも力を入れており、韓国との美術交流で、2008年に広島文化財団 の『国際交流奨励賞』を受賞。ケーブルテレビの美術番組のインタビュアーも13年務めた。

石川まゆみ / 俳人

昭和26年(1951年)広島在住。 1982年に写真を、1997年に俳句を始め、2007年より「写真と俳句」を展示発表。日韓美術交流展には、開催当初から参加し、FOSEMIKOFY展、広島県美術展など多数で発表。現在、俳句結社「海程」同人、「現代俳句協会」会員、「夕凪」会友。

<教室>

旧日本銀行広島支店

住所:広島市中区袋町5番21号 ■広島電鉄(路面電車): 広島電鉄宇品線・「袋町」駅下車、徒歩1分 ■広電バス: JR広島駅より3号線・広島西飛行場行き、「袋町」バス停下車、徒歩1分

1936年(昭和11年)に建てられた日本銀行のかつての営業所。 設計は、建築家・長野宇平治。地上3階地下1階、ギリシャ・ローマ建築風の古典様式で、昭和の空気をそのまま残しています。現在は「建物全体を市民主体の芸術・文化活動発表の場として活用する」という方策のもと、広く市民に貸し出し、様々な用途で使われています。現存する被爆建物の一つであり、広島市指定重要文化財。 2012年10月からの6ヶ月間、HIROSHIMA EXsiteのプラットフォームとして各種イベントが開催されています。

カテゴリ:【文化/芸術】 言 語 : 日本語のみ 定 員 :20人

参加対象:どなたでも

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