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​授業レポート

『今年は広島国際アニメーションフェスティバル!』 ~世界4大アニメフェスを予習&体験編~

広島発アカデミー賞行き最短距離!! ~アニメーションの奥深さ~ 

広島の誇りは何かと問われたら、あなたは何を挙げますか? 宮島、国際平和都市、海と山の幸に川の景観美、カープやサンフレ、などなど…。 ちょっと待った。一つ忘れていませんか? そう、今年は「広島国際アニメーションフェスティバル」の開催年。 2年に1度の「熱い」広島の夏がやって来ます!! その熱い波に今から大いに乗るべく、開催された今回の授業。 アニメーションにちなみ、参加者の皆様には思い思い好きなアニメキャラクターの名で名乗ってもらいました。“のらくろ”から“ルフィー”まで、年代も様々な中、“ドラえもん”こと福本先生のお話から授業はスタートしました。 今年で14回目となる「広島国際アニメーションフェスティバル」は世界の4大アニメーションフェスティバルの一つ。 期間中はコンペティション、ワークショップ、シンポジウム、国内外の優れた作品の上映など総合的に開催されます。中でもコンペティションには世界中から多くの応募作品が寄せられ、なんとその数は2000本近くにまで及ぶそう! 世界各国から迎えられた選考委員により、その膨大な数の作品全てに目が通され公開審査が行われますが、実はこれはとても凄いこと。 全ての応募作品に真摯に向き合う大会の姿勢は、国際的に高い評価を得ています。 そして審査の末、見事グランプリに輝いた作品は、なんと、「アカデミー賞のノミネート候補」として認められることになるのです。 この大会は、アジアで唯一の、アカデミー賞公認大会でもあるのです。 過去の大会では、漫画家の手塚治虫やピクサーのジョン・ラセターなど、誰もが知る著名なアニメ制作者も数多く受賞しており、プロへの登竜門ともなっています。2年に1度、未発掘のトップクリエイターを一同に見ることができる、まさに垂涎ものの大会であり、ウォルト・ディズニー社をして「人材を探しに来た。ここには金の卵がたくさんいる。」と言わしめたほどなのです。 こんなに素晴らしいフェスティバルでも、福本先生には随分悩んだ時期があったそうです。 それは、「フェスティバルの認知度が低い」こと。 普段私たちがTVなどで見るアニメとは趣の異なる芸術性の高い作品が多いため、一般的には親しみにくいのではないかと考えた先生は、「もっと分かりやすいアニメも映画祭に取り入れては」と何度か提言するも、返ってくる答えはいつも「No」。悩みながらもフェスティバルの回を重ね、国際的視野に立ったアニメーション芸術におけるこのフェスティバルの意義を肌で感じていくうちに、「これでいいんだ」と思うようになったそうです。 では、市民のためにはどうあるべきか。 先生は「とにかく楽しんでほしい。そして、市民のプライドになる映画祭であってほしい。」と目を輝かせました。「一人でも多くの人に映画祭を知ってもらい、例え映画祭に行ったことがなくても、その存在自体を誇りに思ってほしい。フランスの国民がカンヌ国際映画祭を誇りに思っているように…。」と。 話が進むにつれみるみる真剣になった皆の眼差しと、「これでいいんだ」と言った時のドラえもん先生の誇らしげな表情が、とても印象的でした。 宝物を見つけたような興奮もさめやらぬ内に、授業は後半のワークショップへと突入します。次は、もっと身近にアニメーションを感じるため、実際に自分たちで粘土を使ったアニメーションを作ってみよう!というもの。 ここからは、広島国際学院大学の講師も務める兼田先生のレクチャーのもと、 まずは皆でカラフルな粘土をころころと手の平で丸めていきます。 久々の粘土の感触に、教室もワクワクとした雰囲気に包まれていきます。 アニメーションは パラパラ漫画のように、少しずつ変化する絵(コマ)がたくさん連なって出来ています。1秒間がTVでは30コマ、映画では24コマ程度で構成されているそうです。2時間の映画を作るとなると、…。 さて、先ほど丸めた粘土を少しずつ潰しては撮影、潰しては撮影を繰り返します。それをつなげて一つの映像にして見ると、粘土がうねうねひとりでに動いているようなアニメーションに、ちゃんとなっています!と、何となく勘をつけたところで、4チームに分かれチームごとに作品づくりへと取り掛かります。 タイトルやストーリー、キャラクターなどを決めつつ、絵コンテにそれを落とし込んでいきます。気分はプロの制作者!撮影も自分たちで行います。 「アニメーションなんだから少しずつ動かさないと!」 「早く動くのがあったっていいじゃないか~。」 「あれ?さっきどこに置いてたっけ?」 決まりのない作品づくりに、試行錯誤しながらもう夢中。動きは?表情は?アングルは?オチは?懲り始めるときりがなく、あっという間に時間が経ってしまいました。 兼田先生の手により一本の作品へと仕上がった各チームの映像が流れると、 「お~」という歓声とともに喜びと労いの拍手が湧き起こりました。 自分たちの作ったものが一つの形となる喜び。創作の楽しみ。とても純粋な姿でした。 ほんの5秒ほどの作品にも、私たちはこれだけの時間と労力を注ぎました。比べることはできませんが、コマ撮りの作品にどれ程制作者の心血が注がれているか、想像するに余りあります。 「絵を描くだけがアニメーションじゃないということを知って欲しい。」と、最後に兼田先生は言われました。 今回の授業を通し、アニメーションを観る目が変わった人も多いようでした。 さて、最後に一つ質問です。 広島の誇りは何かと問われたら、あなたは何を挙げますか?  

(綾波レイ :ひろしまジン大学サポートスタッフ 土方理恵)

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2012年01月21日(土) 13時00分 ~ 17時00分 教室:広島国際学院大学 袋町キャンパス

2012年の広島といえば… 『広島国際アニメーションフェスティバル』開催年!! 今年で14回目を迎えるこの『映画祭』は、 世界4大アニメーションフェスティバルのひとつに数えられる超国際的イベントです。 2010年8月に開催された第13回大会では、 世界58か国・地域から1,937作品におよび、 映画祭期間5日間の総入場者数は延べ約3万4千人!! 今年は2012年8月23日(木)〜27日(月)に開催が決定しています。 毎回、心待ちにしているファンも多いこのフェスティバルですが、 『名前は聞いたことあるけど、行ったことはないんよ〜』 と言う方も、まだまだ多いのでは? これは、実にもったいない!!! そこで、『広島国際アニメーションフェスティバル』を、 ジン大の授業で、今からしっかり予習してはいかがでしょう? 前半は 広島国際アニメーションフェスティバル実行委員会事務局 主幹 福本英伸先生による講義。 映画祭の魅力を、しっかりレクチャーしていただきます。 後半は 広島国際学院大学 情報デザイン学部 講師 兼田貴子先生による クレイアニメのワークショップを開催。 粘土を使って生みだしたキャラクターが、自由自在に動き出す!? 実際に、アニメーション作りを自分の手で体験してみませんか!! アニメ好き、アート好き、お祭り好きも楽しめる、この授業。 夏の本番に向けてドンドン盛り上がる 『広島国際アニメーションフェスティバル』を、 いち早く体験出来る絶好のチャンスです! 無限の可能性を秘めたアニメーションの世界に触れてみませんか? 【授業の流れ】 12:30 受付開始 13:00 授業開始  13:30 クレイアニメ・ワークショップ開始     16:30 制作作品鑑賞&感想シェア 17:00 授業終了 【集合場所】 広島国際学院大学 袋町キャンパス (広島市中区大手町二丁目8番4号 パークサイドビル 6F) 【入場】 集合場所へは、授業開始時間までに必ず集合して下さい。 なお、10分を超えて遅刻された場合は受付終了となり、授業へ参加することが出来ませんのでご注意下さい。 【交通手段】 お車、自転車でお越しの際は、近隣のパーキングをご利用下さい。 (授業コーディネーター 木村アズミ) 共催:広島国際学院大学 情報デザイン学部

<先生>

福本英伸 / 広島国際アニメーションフェスティバル実行委員会事務局 主幹

昭和55年広島市役所入庁、第3回、4回、8回、9回、13回、14回の広島国際アニメーションフェスティバル事務局を担当。5回~10回まで大会のデイリーブリティン編集スタッフとして大会に係わる。また広島の経済界が経済産業省と共に行った広島アニメーション・ビエンナーレの一員としてエデュケーショナル・フィルムマーケットの立ち上げに尽力する。プライベートにおいて、横川〜可部の街づくり事業の中で制作した講談アニメーション「かよこ物語」を皮切りに、あやめ発広島まち物語(ホームテレビ放映)として「バウムクーヘン物語」「カープ誕生物語」「ヒロシマ第九伝説」「広島スキップ物語」などのアニメーション作品を制作。広島市在住

兼田貴子 / 広島国際学院大学 情報デザイン学部 講師

愛知県名古屋市生まれ。 名古屋芸術大学大学院美術研究科造形専攻修了。 2009年に広島国際学院大学情報デザイン学部講師に就任。広島に移り住む。 現在はアニメーションや映像、写真関連の講義を担当。 Website:広島国際学院大学 情報デザイン学部

<教室>

広島国際学院大学 袋町キャンパス

住所:広島県広島市中区大手町2丁目8番4号 広島電鉄(路面電車):広島電鉄宇品線・「袋町」駅下車、徒歩1分 広電バス:JR広島駅より3号線・広島西飛行場行き、「袋町」バス停下車、徒歩1分

“学びと人をつなぐ交流の場” 広島市の都心にあり、広島国際学院大学をはじめ併設高校の学生、生徒、一般の人が自由に利用できるキャンパス。社会人を対象にした学習、イベント、サークル活動など学生はもちろん地域の人々との交流の場として使われています。大学と社会を結ぶ情報の発信センターとしての役割も担っています。 Website: 広島国際学院大学 袋町キャンパス

カテゴリ:【文化/芸術】 言 語 : 日本語のみ 定 員 :15人

参加対象:どなたでも

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