人の命に関わる情報、それが「天気予報」
テレビ新広島の気象予報士、波田健一さんを先生に迎えた今回の授業。 教室は牛田早稲田の英会話教室『PIIC(ピーク)』さんをお借りました。 閑静な住宅街の一角に佇むピークさん、 一歩中に入るとまるでヨーロッパのサロンのような空間が広がっています。 受付のあとは、4つのグループに分かれて座り、しばしの歓談。 13:00より、いよいよ授業開始です。 今回の授業は、グループ対抗のクイズ形式で行われました。 第1問、「空の8割が雲におおわれたら、“くもり”」○か×か? 8割といえば、結構くもっていますよね? 一見「○」に思えるこの質問、実は「×」なんだそうです。 雲の量が0~1割のときは“快晴”、2~8割のときは“晴れ”、9~10割のときが“くもり”。しかもその割合を決めるのは、気象予報士の「目視」なんだとか。経験が問われるということでしょうか。 続いての質問は、「スキー場がある吉和は“広島県南部”」○か×か? スキーができるほど寒い地域なのだから、「北部」に思えるこの質問、なんと「○」が正解。吉和は「南部」なのだそうです。この区分は役場など、行政の管理上の区分であるらしく、地理的に「北部」や「南部」に属している地域でも、天気予報でいう「北部」や「南部」の天気とは当てはまらないことはよくあるそうです。それだけ広島の地形は複雑なんですね。 さあ、質問はどんどん続きます。 「降水確率100%なら、必ず大雨が降る」○か×か? 「降水確率0%なら、絶対、雨は降らない」○か×か? この質問には、全グループが「×」と回答。みごと正解しました。 降水確率って、「確率」なだけに当たらないことも多いそうで、波田先生は、より正確な情報を伝えるために、あえて降水確率は出してないそうです。先生の仕事に対する真摯な思いが伝わってきました。 次のクイズのテーマは「気圧」。 高気圧・低気圧の風向きについての質問は、かなり意見が分かれました。 それぞれのグループで、いろんな意見が飛び交います。 正解は、高気圧は時計回り、低気圧は反時計回り。 これを知っていれば、気圧配置図を見た時に、天気がどう動いていくのかがわかるようになります。(気象予報士の解説にも、突っ込みが入れられるようになるかも!?) そしていよいよ実験です! ペットボトルの中に空気をどんどん入れて、高気圧の状態を作りだしたあと、蓋を外し、気圧を一気に低くします。するとびっくり、ペットボトルの中に小さな雲が出現! 高気圧=晴れ、低気圧=くもりが感覚的に理解できた瞬間でした。 天気予報の基本を押さえたところで、テーマは天気がもたらす災害の話へ。 台風や大雨の原因である、「大気が不安定になる仕組み」を、温度の違う水の上に氷を置き、水と氷の間の空気を急激に冷やすという実験を通してわかりやすく解説していただきました。温かい空気の上に冷たい空気が流れ込むことで、大気が不安定になり、天気が崩れるそうです。 続いて、大雨の際、危険な場所はどこなのか、川沿いを歩く人、木の下に立っている人、地下鉄に入ろうとする人などが描いてある絵を使って教えていただきます。 基本的に、家の中にいる人以外みんな危険だということで、普段自分が通っている道や場所などが、どれほど危ないのかを意識しておく必要があるなと改めて思いました。ちなみに広島は土砂災害の危険があると指定されている箇所が全国で一番多いそうです。この話には、学生のみなさんも驚かれている様子でした。 ここ数年は雨の降り方が変わり、局地的な大雨が増えて川の水が溢れたり、土砂災害の危険性も高まったりと、的確な予報がますます必要になっていきているそうです。 「天気予報は、災害を予防するためのもの。人の命に関わる情報なんです」。 その言葉に、気象予報士としての波田先生の情熱が伝わってきました。 最後は、先生と学生さんによる座談会です。 波田先生が気象予報士を目指したきっかけや、天気と体調の関係についてなど、学生さんのざっくばらんな質問に、ユーモアを織り交ぜながら答えていただき、和やかなムードで授業は終了しました。 今日一日で、天気と天気がもたらす災害について、本当に多くのことを学ぶことができました。普段何気なく見ている天気予報も、これからはまた違った目線で見られそうです。 波田先生、PIICの方々、学生のみなさん、ありがとうございました! (ボランティアスタッフ 黒川めぐみ)
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2011年06月19日(日) 13時00分 ~ 15時00分
教室:PIIC(Premia International Immersion Center)
梅雨シーズンが到来しました。 通勤、通学や、洗濯物に週末のお出かけ等々 突然の雨って本当に悩ましいですよね。 この時期に特に気になることといえば やっぱり空模様ではないでしょうか? そこで今回実施する授業のテーマは、ずばり「天気」。 「広島で天気といえば…あの人じゃろう!」ということで テレビ新広島『ひろしま満点ママ!!』などでもおなじみ 気象予報士の波田健一さんを先生にお迎えします。 当日は天気の基本を学べるだけではなく チーム対抗クイズや、天気に関するビックリ実験!? 天気図の見方や雲の観測、そして土砂災害等の防災にいたるまで 幅広く天気についての知識を深めていただきます。 座談会形式で質疑応答も受け付けますので 普段疑問に感じている天気のアレコレも解消できるはず。 この授業を受ければ「あ、もうすぐ雨が降る!」なんて あなたも気象予報士のようになれるかも? 天気に関する正しい知識を身につけることは 普段の生活だけでなく命に関わる気象災害への備えにも繋がります。 情報を上手に活用して、梅雨シーズンを楽しく安全にエンジョイしましょう!! 【授業の流れ】 12:30 受付開始(授業開始の30分前) 13:00 授業開始(講義/クイズ形式) 14:20 座談会 14:50 記念撮影・アンケート記入 15:00 授業終了 【集合場所】 PIIC(Premia International Immersion Center) ※会場への詳しいアクセスはこちら 【入場】 集合場所へは、授業開始時間までに必ず集合して下さい。 なお、10分を超えて遅刻された場合は受付終了となり、授業へ参加することが出来ませんのでご注意下さい。 【交通手段】 お車で来場される場合、会場の駐車場は台数制限があるため、必ずご利用いただけるというお約束ができません。 なるべく電車、バスなど公共交通機関をご利用いただくか、近隣の有料駐車場に停めて下さいますようお願いいたします。バイク・自転車の駐輪場はご用意しております。 (授業コーディネーター 沖田菜津子)
<先生>
波田健一 / テレビ新広島 気象予報士、防災士、気象キャスター、ディレクター、プロデューサー、環境カウンセラー
NPO法人気象キャスターネットワークでは理事を務め、全国の小・中学校などで環境問題や防災に関する出前授業を担当。気象庁から予報業務を許可され、複雑な広島の地形要素などを加味したより正確な“独自予報”を伝えている。現在、「TSSスーパーニュース」、「ひろしま満点ママ!!」に出演中。その他、「TSS天気予報」、「公式携帯サイトTSSサンフレッチェ広島 ~スタジアム天気」などのPC・携帯サイトは圧倒的なアクセス数を誇る。2011年の単発バラエティ「MAJIDESUKA!? ギャッパー」の番組制作を担当するなど、幅広く活躍中。広島出身・在住
<教室>
PIIC(Premia International Immersion Center)
住所:広島市東区牛田早稲田1丁目3−22 アクセス:バスで広島駅から10分、八丁堀から15分 ※会場への詳しいアクセスはこちら
国際コミュニケーショントレーニングができる英会話教室として2011年に誕生。一軒家の和風建築を改装したハイセンスで隠れ家的な空間です。カフェコーナーや寛げるラウンジ、趣の異なる個室があり、様々な目的に応じた会合・イベントも開催できます。子供用のプレイルームも完備し、幅広い年齢層の方が利用しやすいオープンな施設です。 Website※PIIC(Premia International Immersion Center)
カテゴリ:【科学 / 防災】 言 語 : 日本語のみ 定 員 :20人
参加対象:どなたでも
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