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​授業レポート

冬の山を歩く ~スノートレッキングで感じる県北の自然~

普段の暮らしから90分。そこは、白銀の別世界

広島駅からバスで90分ほど、 広島と島根の県境にある芸北文化ランドへスノートレッキングへ行ってきました。 バスの中では自己紹介の時間。 参加者は中学生から60代までのさまざまな年代の生徒さんです。 ひろしまジン大学に参加しようと思ったきっかけなど、 笑い話を交えながら楽しい時間を過ごしました。 千代田インターを降りてからは、驚くほどの大雪。 今年一番の寒波で2m以上ありそうな積雪、おまけに吹雪です。 あまりの過酷な環境に、隣の席に座っていた登山好きな女の子は テンションが上がり、冬山慣れしていない私はビビリます。 今回の先生は、標高8200mもの登山経験のある平田先生。 山に登りはじめて50年の大ベテラン。 先生についていけば大丈夫と覚悟を決め、授業開始です。 「まずはスノーシューズをはく前に一度、靴だけの状態で積雪の中を歩いてみてください」 との先生の一言。 そんなの簡単、と思いまっすぐ歩く姿をイメージして雪の中を進んでみますが、 手足をばたばたさせるだけでほとんど前進できません。 おもしろいほど雪に埋もれるので、楽しくなって突き飛ばしあいの大はしゃぎ。 まるで子供です。 ロッジに戻って、説明を受け、スノーシューズを装着。 いよいよスノートレッキングに出発です。 スノーシューズを履いていると、さっきとは違い、ゆっくりとですが前に進むことが出来ます。 リフト横の傾斜を登りきったあたりは林になっていて、そこは見たこともない白銀の世界。 サラサラの新雪はケーキを作るときのふるいにかけた小麦粉を思い出します。 全てが、真っ白い雪に包まれ見渡す限り足跡のない世界。 足を踏み入れてしまうのがためらうくらい。 でも、めちゃくちゃ楽しい! 転んでもフカフカだから全然痛くないし、隣にいる人が笑いながら手を差し伸べてくれます。 さっきまで知らない人だったのに自然と仲間たちのように感じます。 一番雪深いあたりで記念撮影をして下山した頃には、まつ毛や髪の毛まで凍ってカチカチ、 でも不思議と寒く感じませんでした。 続いて食堂のあるロッジに集合して、地元の方がつくってくれたおいしいごはんを頂きます。 準備が出来るまでに、遊び足りず?外で大きなかまくらをつくっている生徒さんもいます。 いっぱい遊んでお腹をすかせたとこに、温かい具沢山お味噌汁は、ほんとにおいしかった。 冷え切った体を芯から温めてくれます。 具材はにんじん、じゃがいも、だいこんなどなど、 なかでもスーパーや八百屋さんで見かけるものよりもずっと大きな「なめこ」は、 驚くほど香りがよくとてもおいしい! 聞けば施設内で栽培してるそう。 他にも椎茸や林檎も栽培しているとのことで売店にはおいしそうな林檎ジャムやジュース、 山菜を乾燥させたものまで売ってたのでお土産に購入しました♪ おなかいっぱいおかわりして、幸せになったところでワークショップのはじまりです。 地元の方々を交えて4つの班に分かれ、芸北について、テーマごとに発表していきます。 「楽しかった!」 「広島市内から1時間ちょっとで、こんなにも自然豊かなところがあるなんて知らなかった」 「なんか元気になれる」 など思い思いに芸北について語りあいました。 なかでも、他県から芸北に移住された4人の子供を持つ元気いっぱいのお母さんが、 「田舎暮らしは楽しい。冬はスキー、夏は農作業、鶏20羽飼って毎朝おいしい卵を食べて、 毎日生きてるって実感がある。だからおいしすぎてふとっちゃったのよー」 と、語った笑顔がとても幸せそうで印象に残りました。 帰りのバスにゆられながら、田舎暮らしもいいなぁ、機会があればしてみたいなぁなんて、 ぼんやり思いました。 春には山菜、秋にはキノコ(松茸も!)採れるそうなので、またゆっくり、 今度は泊りがけで遊びに行きたいと思います。 (ひろしまジン大学スタッフ 窪田めぐみ)

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2011年01月16日(日) 09時00分 ~ 18時00分

教室:芸北文化ランド

本授業は社団法人広島県観光連盟とのコラボレーション企画です。

海、山、川、島、都市…さまざまな地域が織り成す広島。 この多様な地域性から、自然や風土を背景とした独自の生活や文化が生まれ、 その土地オリジナルの魅力ある”資源”となっています。 この特別授業では、いわゆる物見遊的な観光ではなく、 その土地土地に暮らす人々との深い交流と、 その場所でしか味わえない体験を通じて、 それぞれの地域の人と人とが、学び合うことを目的としています。 今回の教室は『広島県 北広島』 雪山の自然に触れ、現地の方々と語り合うことから県北の生活、 魅力を学び、体験します。 知ってるようで知らない広島へようこそ! 日常の喧騒を離れた冬の雪山。 新雪を踏みしだく音以外は何も聞こえない静寂の世界。 引き締まった空気の中、全てを白で覆い尽くした神秘的な森を歩く。 一見何の生き物の気配も感じられないような雪山も、目を凝らせば、 木々がもうすぐ来る春のために用意している冬芽や、 シカや野うさぎたちの足跡を観ることができます。 今回は山のエキスパートの指導の下、スノートレッキングを楽しみます。 先生は、8000m級の山への登頂経験も持つ、日本山岳連盟上級コーチ平田さん、 そして現地の雪山に詳しい堀田さん。 県北に連なる中国山脈を歩きながら、冬の自然の楽しみ方や雪道を歩く注意点など スノートレッキングの魅力を教えてもらいましょう。 温暖化の影響からか、都市部ではあまり雪を見る日は少なくなくなった昨今。 だからこそ、その美しさや雪山の自然を改めて感じてみませんか? 授業の後は、お昼ごはんを囲みつつ、各企画の先生を初めとする 地元に暮らす方々と授業のおさらいの後、県北の魅力等について座談会形式で語らいます。 その地に暮らす方々のお話しを受けて、県北での生活に理解を深めるとともに、 もっとこんなことができないか?この地域資源はほかの地域の人にとっても魅力的なのでは? などなど、参加者からの提案も行い、お互いの視点、アイデアを共有しましょう! 【授業の流れ】 09:00 集合(広島駅北口正面に集合し、無料バスで一斉に移動します)  ※受付は8:30から開始します。 10:30 現地着 10:45 スノートレッキングレクチャー 11:15 スノートレッキング開始 14:00 食事+交流(グループにわかれて座談会) 16:30 現地発 18:00 解散(広島駅) 【注意事項】 ・実費(1,000円)がかかります(スノーシューズレンタル代、保険加入代)。 ・対象は中学生以上です。 ・ご不明な点等ございましたら、ひろしまジン大学事務局 (general@hirojin.univnet.jp)までご連絡下さい。 ・当日緊急時連絡先:090-1338-2891(ヒラオ) 【持ち物】 ジャンパー、手袋、耳あて、マフラー、長靴、カイロなど暖かい格好。 (共催)社団法人 広島県観光連盟 (授業コーディネーター 平尾順平 南澤克彦)

<先生>

平田恒雄 / 日本山岳協会上級コーチ

1935年(昭和10年)生まれ。 8,000m級の山にも登頂記録を持つ現役アルピニスト。 現在も国内外を問わずさまざまな山へのアタックを行っている。 日本山岳協会で最高レベルである上級コーチの資格を持つ。

堀田高広 / NPO法人INE OASA 事務局長

1965年生まれ。 少子高齢化や過疎化問題が、中山間地域の経済活動を追い詰めていく、家業の交通事業や観光事業を営んできたが、持続可能な社会とはどういうものなのか、景気低迷や政局の変化などに飲み込まれない、組織や地域を作りたい、本当の意味での地域貢献とは何かを問う内に、NPO法人や事業協同組合を設立。 現在、自らを取り巻く状況の中で、地域活性化・環境保全・次世代教育・地域間交流などの視点から、新たな事業に取り組む。


<教室>

芸北文化ランド

住所:広島県山県郡北広島町移原265番地の6

季節を問わず、県北の自然が楽しめるスポット。 特に冬場は林間に展開するゲレンデのため、雪持ちがよく、ソリ滑りや雪山歩きなどが楽しめる。 施設内には山小屋風のロッジもあり、泊りがけでも。 また「雪合戦ひろしま交流大会in芸北」の会場にもなっており、毎年冬には各地から屈指の雪合戦プレーヤーが集まる。

カテゴリ:【地域/自然】 言 語 : 日本語のみ 定 員 :15人

参加対象:中学生以上

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