コミュニケーションのコツは、『悪役の奉仕精神』
「おじきの敵はとらせてもらう…この命に変えてもおぉぉぉぉぉ!!!」 そんな怒号が土曜の昼下がりの、カフェ「LOG」店内にこだました。 悪役俳優、柿辰丸さんを先生にお迎えした、 『あなたは悪役になれますか?〜悪役俳優から学ぶ裏コミュニケーション術〜』の授業中の一幕。 先生の長年の俳優経験で培われた演技を目と鼻の先で体感し、ひろしまジン大学の学生、スタッフから惜しみない拍手が湧きました。 任侠映画やテレビドラマ、バラエティなどマルチに活躍している柿辰丸先生の授業はエンターテイメントあり、考えさせられる事あり、と様々な要素が含まれた授業でした。 『正義』『悪役』 『何が正しい?』『何が悪い?』 それは、人と人とが生きる上で永遠のテーマでもありますね。 柿先生いわく、悪役として最も大事なことは 「主役に怪我をさせない」「いかに主役を引き立てるか?」 の2点だそうです。 まるで美しい夫婦愛の秘訣の様です。 そう今回の授業には『悪役』という、役割に持たされた、深〜い『愛』がありました。 悪役は憎まれ役です。 悪役が悪ければ悪いほど、それを倒す主役はヒーローになり、作品はどんどん面白くなっていきます。そうして、見ている人達はスカッとした気分になり満足します。 そんな、『悪役』という奉仕の精神から来るコミュニケーション術を今回、学ばせていただきました。 あなたは『悪役』になれますか? 日常生活で言いたいけど言えない、注意したいけど注意できない。 注意すると自分が『悪役』になる。でも注意しないと周りに迷惑がかかる。 そんなシチュエーションの時、 『自分ならどうやって注意するか?』 を実際に学生さんにはロールプレイングでグループ発表してもらいました。 最初のお題は、 「電車内ではしゃぎ回る子供を注意せず、携帯を見ている母親にどうやって注意するのか?」 グループ発表では、 子供に「こりゃ!みんなが迷惑しとるじゃろうが!」と注意するグループ、 母親に「携帯見ずに、子供をしかりんさいや!」と直接注意するグループや、 子供に「ほら!あっち見てごらん!窓の外きれいだね!」と注意をそらせるグループなど、それぞれとても面白い見解の発表をしてくださいました。 全グループが発表し終わった後は、柿先生のデモンストレーションと解説です。 柿先生は意外にも穏やかな表情を浮かべて母親の隣に座り 「元気のいいお子さんですね」 「家でもこんな感じなの?」 「あ〜そう。」 とゆっくり話しかけて、相手の話をずっと聞いた後、 「あ〜そう。でもちょっとここでは静かにさしてもらえんかね」 と頭ごなしに怒るのではなく、相手に分かってもらえるように相手と自然に対話をしながら注意をされていました。 2つ目のお題は、 「しょっちゅう遅刻してくる部下に、上司はどうやって注意するのか?」 こちらでも柿先生は同じように 「なんで遅刻したの?」 「一人が遅れると、会社はどうなると思う?」 といきなり叱りつけるのではなく、相手に質問して「理由」を聞き出します。そして最後に 「じゃあ明日家まで迎えに行くから、一緒に出勤しよう」 と一言。 『優しさ』の中の『怖さ』とはこの事、 これを上司に言われて遅刻する部下は、なかなかいないでしょう。 ルールを守らないから悪い、と決めつけて接するという事は相手を『悪役』にするという事。 そうではなく、相手を『主役』にする事で円滑なコミュニケーションにつながると解説して頂きました。 誰もが“自分は悪くない”と考えます。 しかし“自分が周りに迷惑をかけているのだ”と自覚すれば、 自分は悪い事をしているな、と反省することができます。 つまり『主役』の心を入れ替える『悪役』になれば物事は円滑にまわっていく。 「う〜ん、深い!!!」とみんな納得。 自分が『正しい』と主張する事は、相手を『悪役』にするということでもある。 そう考えると私たちの日常生活でも、他人との関係性の中で『正義』と『悪役』がひっきりなしに入れ替わり、立ち代わりしていますね。 誰が『正しい』? 誰が『悪い』? 何が『正しい』? 何が『悪い』? 色んな人達と円滑なコミュニケーションをとっていくのは、「あえて自分が悪役になる」「相手を主役にさせる」という『悪役の奉仕精神』、『主張しない正義』なのかもしれないですね。 (ひろしまジン大学サポートスタッフ 大谷和也)
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2011年12月17日(土) 14時00分 ~ 16時00分 教室:LOG
あなたは『悪役』になれますか? たとえば職場で。 たとえば家庭で。 たとえば学校で。 たとえば街中で。 「それは、間違っているよ。」の一言を誰かに伝えるのは、とても勇気がいりますよね。 相手にとって、都合の悪いことを伝える自分はまるで『悪役』です。 でも、誰かが言わなければ、きっと何も変わらない。 正しいことを、『悪役になりきり』相手に伝えることができるかどうか…。 今回の授業では、学生のみなさんに『悪役』になってもらいます!! 先生にお迎えするのは、 悪役俳優として全国的に活躍しながら社員研修講師なども務める柿辰丸さん。 日常生活において“あえて”悪役になることで生まれる 円滑なコミュニケーション方法について学びます。 俳優として悪役を演じ続ける理由・コツなどを教えていただいた後、グループワークへ。 こんな場面で自分ならどうするか?を考え、実際に演じてみましょう! 普段言わない言葉を使い、“あえて”悪役になることで、状況は好転するかもしれません。 誰かが“あえて”悪役を演じていることをわかってあげられたら、 一緒に問題を乗り越えることができるかもしれません。 誰でも、悪役にはなりたくない。 そこをあえて自ら悪役になることで、 日常生活や仕事での人間関係の築きかたが変わるはずです。 ちょっと見方を変えるだけで、状況は違って見えます。 『悪役』になって、新たな世界を体験しましょう!!! 【授業の流れ】 13:30 受付開始 14:00 授業開始 14:15 座学『悪役俳優になった理由・悪役を演じる上で大切なこと』 14:45 グループワーク・発表 15:30 座談会 15:50 記念撮影・アンケート記入 16:00 授業終了 ※カフェでのワンドリンクオーダー(実費がかかります)をお願いします。 【集合場所】 LOG (中国新聞並び、平和大通り沿い中華料理店の2階) 【持ち物】 ・筆記用具をご持参ください。 ・カフェでのワンドリンクオーダー(実費がかかります)をお願いします。 【入場】 集合場所へは、授業開始時間までに必ず集合して下さい。 なお、10分を超えて遅刻された場合は受付終了となり、授業へ参加することが出来ませんのでご注意下さい。 【交通手段】 お車、自転車でお越しの際は、近隣のパーキングをご利用下さい。 (授業コーディネーター 黒川めぐみ)
<先生>
柿辰丸 / ひろしまイベント参加隊代表(兼)悪役俳優
広島出身の悪役俳優。悪役俳優歴18年。1993年より東京にて悪役俳優として活動。レギュラーメンバーとしてテレビドラマ、バラエティー番組などに多数出演。2011年3月からはひろしまイベント参加隊 代表(兼)悪役俳優として、広島での活動を開始。広島東洋カープ球団公認の『カープ侍』に扮し、マツダズー ムズームスタジアムでの試合を盛り上げる一方で、日本笑いヨガ協会認定「リーダー」として、笑いヨガの普及に尽力するなど、マルチに活動している。
<教室>
LOG
住所:広島市中区土橋6-17-2F(中華料理店の2F) TEL:082-231-7022 営業時間:13:00~24:00(火曜日お休み) 広島電鉄 土橋下車 徒歩5分 平和大通り沿い、中国新聞ビルの並びです。
平和大通り沿いの素敵なcafe&bar。 店主が選び抜いたアンティーク家具や小物が並ぶ店内では、 1人でも、ゆっくりとした心地の良い時間を楽しむことができる空間となっています。 キャンドルワークショップ、写真や絵画などの個展、ファッションショーなど、 イベントの開催もされています。 website:http://lognote.jp/
カテゴリ:【コミュニケーション】 言 語 : 日本語のみ 定 員 :20人
参加対象:どなたでも