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​授業レポート

書店員に学ぶ! 本選びの選定眼 ~広島ご当地本大賞ってナンダ?~

書店員に学ぶ!本選びの選定眼レポート

【光差し込むカフェに集合】


秋空の下、読書の秋に相応しい「本」を題材にした授業に、続々と集まる生徒さんたち。

授業を発表してすぐに満席になってしまったことからも、皆さんの「本」への興味が伺えます。


会場は、BAR&CAFE『LOTUS』

全面ガラス張りで、やわらかな陽光が差し込むステキな空間。

普段は夜だけ営業をしているこの場所を、特別に昼間に貸していただけました。


生徒さんたちには開始時間までの間に、3つの質問に答えてもらいました。

<好きな作家、よく行く書店、好きな本のジャンル>

コーヒーやジュースを片手に、フリップに書くみなさん。

答えやすいものどれか1問でいいですよ、と伝えていたのですが、

すべてに答えてくださる生徒さんが多かったです。


「こんにちは、尾道からきました、三島です」

先生は、尾道にある啓文社福屋ブックセンター店、店長の三島政幸さん。

書店員歴はバイトも入れてなんと20年。


「とにかく本を読むのが好き」と話す三島さん。


冒頭の質問を書いたフリップを出し、生徒さんたちの自己紹介が始まります。

田口ランディ、ジュンク堂、自己啓発本、廣文館、重松清、エッセイ…。

それぞれの答えに、先生がコメントしていきます。


「廣文館さんは見せ方がうまいんですよね」

「ジュンク堂さんは、ほんとに量が多いんです、そしてポップがほとんどない」


本選びには、「読みたい本を探しに行く」パターンと

「おもしろそうな本に出会いに行く」パターンの2つがあり、

前者の場合、量が豊富なジュンク堂などのメガ書店へ。

後者の場合、独自路線を行くリブロや廣文館がおすすめ。


そして、ふらっと行って本を選ぶときには、平台にある本を手に取るのが良いのだそう。

特に、平積みになったベストセラーの隣になぜか置かれている本には、要注目。

それらは書店が推したい本で、推したいということは面白いということだから、と。

書店員さんもつまらない本は推薦したくはないのだそうです。



【広島本大賞のはなし】


みなさんは「本屋大賞」というものがあることをご存知でしたか?


売り場からベストセラーを生むために、書店員がいちばん売りたい本を選び

書店員が投票するという試みで2004年から行われているのだそうです。

この大賞がかなりメジャーになってきていて、最近では、出版社から書店員さんに「この本を読んでください」とアプローチがあるほど。


三島さんは、「この本屋大賞の広島版をやろう!」と、その火付け役になり、

広島県内の本屋さん&タウン誌スタッフさんたちと動いているそうで、

広島の魅力溢れる本を持ち寄り、ノミネート作品を選び、来年3月にその大賞が決定するそうです。


現在のノミネート作品は11作。

三島さんが推した本は、第143回直木賞受賞作家、中島京子さん初の児童文学。

『ハブテトルハブテトラン』(ポプラ社文庫)

東京から母の故郷・福山市松永町に2学期だけ通うことになった少年の成長物語。


とっても読みたくなったのは私だけではないはず(笑)。



【実際に本屋さんに行ってみました】


三島さんに本の選び方を教えてもらったので、さっそく選んでみよう!

と、2つの本屋さんに行きました。


1店目はパルコ5Fにある『リブロ パルコ広島店』。

とても物腰の柔らかい女性の店長さんに挨拶をして、店内を物色。

なるほど平台にある本は面白そうだ…。

店内壁際の文庫コーナーにはかなり凝ったポップが並んでいて、

このポップを見て本を購入した生徒さんが多かったです。

リブロに行くときは、ぜひ注目してみてください。


2店目は、天満屋八丁堀店7・8Fにある『MARUZEN&ジュンク堂書店 広島店』。

10月にオープンしたばかりのこちらは、県内最大級の品揃え!

メガネのさわやかな店長さんにあいさつし、広~~い店内をまわりました。


最後に集まって、はじめに聞いた三島さんからの格言「本は見つけたときに買え」を実践したみんなが、

それぞれ選んだ本たちを発表。


『夜中に犬に起こった奇妙な事件』

『策謀家』

『平成大家族』

『かたみ歌』

『ロシアは今日も荒れ模様』

『ミッキーマウスの憂鬱』

『台湾夜市を食べつくす』

『阪急電車』


などなど、面白そうな本がたくさん。

書店ごとの個性や本の選びかたがわかり、とてもタメになる授業となりました。



(スタッフ 安彦恵里香)


------------------------------------------------------------ <授業詳細>

2010年11月20日(土) 15時00分 ~ 17時00分

教室:LOTUS

本を好きな人にとって、本選びの重要な道しるべとなってくれるのが、町の書店員さん。「本屋大賞」の盛り上がりや、書店員さんの手書きPOPがきっかけで全国的ベストセラーが生まれるなど、その影響力は年々増してきています。 一方、電子書籍の一般化などで紙離れが叫ばれる今も、年間の新刊発行点数は増える一方。普段全然本を読まない人には、膨大な新刊のなかから、どんな風に自分好みの本を探せばいいかも分からない状態です。書店を訪れる多くの人が本選びに迷うなか、一番身近なお助け人として「本のソムリエ」的役割を果たしてくれるのは、やはり書店員さんでしょう。 今回の授業では、広島でも指折りの有名書店員さんに、本の選び方を学びます。例えばオビ文や解説を誰が書いているか、○○賞受賞作にハズレなし…など本自体に含まれる情報、あるいは書店のPOPで選ぶ、本が置いてある場所で選ぶ…など、本屋さんならではの視点で、その店の押している本を探すことも出来そうです。 授業の前半は書店員さんと参加者で、本選びのコツに関する講義とフリーディスカッション。後半は実際に町の書店へ繰り出し、その日購入する1冊の本を、書店員さんのアドバイスで選びたいと思います。


・カフェでのワンドリンクオーダー(実費)をお願いします。

・必須ではありませんが、見学書店ではできるだけ本を購入することをお願いします。 【授業の流れ】(予定) 14:30 受付開始 15:00 授業開始 1.先生紹介 →三島さんご本人の自己紹介と、今取り組んでいる「広島ご当地本大賞(仮)」の紹介など。 2.本選びお悩み相談 →まず進行役から、書店で本を選ぶときのポイントについて質問。信頼できる書評は何に載っているものか、良いオビ文・悪いオビ文?の見分け方、などに答えていただく。一通り聞いたら、参加者から挙手で質問を募る。 3.書店へ行ってみよう! →実際に書店へ全員で移動して、3での理論を元に本選びしてみる。選んだ本に関して三島さんの意見を貰ったり、三島さんが今読みたい本を紹介してもらったり。 17:00 授業終了 【持ち物】 筆記用具をご持参ください。 【入場】 教室へは、授業開始時間までに必ずお入り下さい。 授業開始後の入場は制限させていただきます。 なお、10分を超えて遅刻された場合は受付終了となり、授業へ参加することが出来ませんのでご注意下さい。 【交通手段】 当日、教室への交通手段は電車、バスなど公共機関をご利用下さい。 近隣への配慮のため、車・バイク・自転車でのご来場はご遠慮願います。 (授業コーディネーター 山根尚子)

<先生>

三島政幸 / 啓文社コア福山西店・副店長

書店員歴はバイト時代も含めて約20年。読書歴は中学時代から30年弱。ミステリオタクからスタートしたが、最近は恋愛小説やノンフィクション、ビジネス書までなんでも読む。過去に「WEB本の雑誌」「週刊現代」などで書店員コラムを担当。推薦文が本の帯、POPに使われたケースはもう本人も憶えていないほどの数に及ぶ。




<教室>

LOTUS

住所:広島県広島市中区三川町3丁目12-16 並木curl bld 5A (市内電車 八丁堀駅より徒歩8分) TEL:082-246-0104 営業時間:18:00~03:00(火曜日お休み) 広島市中区の並木通りに面したゆっくり落ち着いた雰囲気のcafeです。

カテゴリ:【文学】 言 語 : 日本語のみ 定 員 :10人

参加対象:本に興味がある方、書店が好きな方

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